秘密保持(秘密漏洩が起こるパターン1)

M&Aは秘密保持に始まって、秘密保持に終わる!』と言うぐらいM&Aにおいては秘密保持は重要です。

中堅・中小企業のM&Aでは、特に譲渡企業の存続に係ってくる問題です。
ですが、意外と譲渡企業から漏れるケースが多いのです。

買い手企業に関しては、我々は非常に厳しい注意を行ないます。『もし貴社から秘密が漏れたら、道義的・経済的責任を取っていただかなければなりません』と申し上げるとともに、買い手企業と秘密保持契約を締結します。さらに検討メンバーを限定していただき、そのメンバーの個人のサインまで頂くこともあります。

一方、譲渡企業の社長は孤独と不安を感じています。
買い手企業に提案してから契約が終わるまでの数ヶ月間、不安で不安で仕方がありません。もちろん我々も積極的に相談に乗ります。

しかし、親しい仕入先の社長などが来ると、つい気を許して
『最近体の調子が悪いので、会社を売ってリタイアしようと思っている。ABC工業に会社を買ってくれるよう提案していて、もう3ヶ月になるが最終結論が無い。ABC工業の社長は優柔不断で、俺は最近夜も寝られない!!』
などと言ってしまいます。

仕入先社長にとってはこんなに面白い話は有りません!!
『秘密保持の重要性』など知らない仕入先社長は、業界の会合、夜のお酒の席、ゴルフクラブ、などでついしゃべってしまいます。狭い業界や地域ではすぐにその噂が広がってしまいます。

このように、意外と譲渡企業から秘密漏洩が起こることが多いのです。私は、『奥様に話をする時でも我々に相談してからにしてください』とお話をさせていただいています。