プレパッケージ型再生

日本航空の再生が話題に上っています。
今回の日航の再生プランは、『プレパッケージ型』が大きな特徴と言われています。
プレパッケージ型』とは、名前の通り『事前に再生のパッケージを準備しておく』ことです。
事前に『金融機関などの債権放棄スキーム』『不動産などの資産処理スキーム』『スポンサー企業』などを周到に準備しておくことで、再生の失敗が防げます。

当社も、中堅中小企業の再生は多く手がけており、NPO法人『日本企業再生支援機構』を作って広報活動にも力を入れています。

再生を前提としない中堅中小企業の企業破綻は、関係者にとっても悲惨です。
オーナー経営者が自己破産するのみならず、従業員が路頭に迷ったり、家族が高校中退などを余儀なくされたりします。
地方都市では、社員、特に中高年社員の再就職が現実的には困難なことが多いのが実情です。

ですから、社員の雇用をできるだけ維持できるような再生は社会的な使命だと考えています。

当社が行う再生支援は、大半が『プレパッケージ型』です。

再生の要は
(1)借入金を減らしてバランスシートを改善する。
(2)収益構造を改善して黒字体質にする。
の2点です。

(1)は金融機関の協力を得て債務を減らしたり、サービサーを活用したりして実現できますが、難しいのは(2)の収益改善です。

全ての企業に「弱み」はあるでしょうが、中堅中小企業の再生企業というのは必ず経営上の大きな弱みがあります。
例えば、『素晴らしい技術力を誇るが、社長がスーパー技術者なので営業が極めて弱い』などです。
このような企業に重要なことは、欠点を補完してくれるスポンサー企業をつけることです。

この場合だと、金属商社、機械商社など『強力な営業力』を持つ会社にスポンサーになってもらいます。

プレパッケージにすることによって、事前に『黒字化』の目処が立ちやすくなるので、金融機関や仕入先の協力も得られやすいのです。