決算を迎える上場企業が多いのが3月です。
そこで、「決算までにM&Aを完了させたい!」という企業が3月にはたくさんあります。
今年は特にそのように希望される企業が多いように思います。
3月末の区切りがいいところで契約を行いたいという企業が多いのです。
その理由として考えられることは、「4月からきちんと連結決算を行う方がスムースだ」と言うことも有りますが、今期は企業に閉塞感があり、新しいビジョンを求めていることだと思います。
株主や社員に対して明確にビジョンを示せるのがM&Aです。
「我々は、閉塞感を打破するために企業戦略を明確に打ちたて、それに基づいてM&Aを行いました。新年度からは期待してください!」という力強いメッセージになるからです。
このような強いメッセージを4月の初め(期首)に株主、社員、関係先、などに対して発信したいのです。
上場企業の要望によって3月に間に合うようなスケジュールを組みますと、どうしても密度の高いスケジュールになります。
そうすると、譲渡企業や買い手企業の社内での問題、メンタル面での問題、などが短期間に噴出することになります。
時間をかければ流れの中で納得することも、短時間では「今言っておかないと取り返しがつかない」と言うことで急速に表面化するわけです。
従って、3月にはM&Aで起きる問題の全てが凝縮されて表面化してきます。
まさに、企業ドラマ、人間ドラマが渦巻くことになり、M&Aを志す人間にとっては生きた教科書、現場でのケーススタディの時期となります。
(もちろん、短期間で両社が納得する調整を行わなければならず、我々にとっては教科書と呼ぶには死ぬほど苦しい仕事になりますが!!)
この時期を乗り切った社員は当社でも一人前のM&Aプレーヤーに脱皮することが出来ます。
私は営業マンなので決算月というのは緊張感があって大好きですが、この仕事はそれをさらに助長し、毎日ワクワク、ハラハラ、しながらお客様のために知恵を絞っています。