M&Aを今年の新春に実行された譲渡企業に、先日お伺いしました。
この会社は四国にある会社で、「タオル製造」という不況業種の代表選手のような仕事を営んでおられます。その中にあって、独自の製品開発で高付加価値を実現し、利益率を向上させてきた素晴らしい会社です。
創業以来二人三脚で経営してこられた奥様がご病気で倒れられ、後継者もいないことから前社長様は譲渡を決意されました。
前社長に初めてお会いした印象は、『非常に精悍で、ファッションセンスが良い親分』です。現在もオーラが満ち溢れていらっしゃいますので、お若い頃はさぞかしエネルギッシュであったのだろうと感じました。「やっぱり、超不況業種にあって一人勝ちする社長の器は違うなあ」という印象です。
譲渡した後のご感想をお聞きしました。最初は、その空虚感から後悔されたそうです。
やがて、生活に慣れてくると奥様の為に沢山時間が取れること、会社経営以外の仲間との新しい楽しみが作れること、などで生活に張りが出てきたそうです。
『経営をしているときは、自分ですべて企画し、考え、指示し、実行していました。いわば自分が主役でスターでした。主役の座を降りたということが一番の寂しさ、空虚感でした』と自己分析されていました。『しかし、スーパー主役が一人で全部やっていたのでは人は育ちません。今は、大手の子会社になったので幹部社員が自分で考えなければなりません。人が育ち、会社が継続する基礎ができたと思います』と安心されていました。
この前社長の感想は、譲渡企業の社長にとって普遍的な真実の想いだと思います。
この前社長をお招きして、経験談をセミナーでお話いただくことになっています。
企業を譲渡したい方、企業を買収したい方、M&Aのコンサルをしたい方、すべての方々に本当に役に立つセミナーになると思います。ご期待ください!!