中国訪問

先週1週間、中国へ行ってまいりました。
昨年11月に中国室を立ち上げましたが、今後の方針を決めるための訪中でした。

<訪中の結論>
『日中間のM&Aは、今最高のタイミングに差し掛かっている』
ということです。以下、簡単に訪中の感想を書きます。

1. 温州訪問

まず最初に訪問したのは温州です。
温州は、民間資本の発祥の地であり、華僑の多くはこの地区出身ですし、『上海の不動産の半分は温州資本に買収された』と言われるぐらい積極的です。
ここでは、官の代表の『民間資本投資センター』の責任者、民の代表の『商工会議所』の代表、などとお話をして、夜は経営者を60名ほど集めてセミナーを行いました。

  • 『世界の下請工場、軽工業から脱皮する時期に来ている。その為には日本の企業とM&Aを行い、技術、ブランドの導入が必須』

と言うのが大方の意見でした。

中国訪問:チャイナM&Aアソシエイト総会

中国訪問:チャイナM&Aアソシエイト総会

2.上海訪問

上海では『チャイナM&Aアソシエイト』の総会に出てきました。約400名が出席です。こんな協会があること自体が驚きですが、そこでは特に海外とのM&Aが真剣に議論されていました。

  • 『M&Aで成功するためには近隣国とやるのが良い』
  • 『先端技術より、実用的な技術を持っている中堅企業が相手としては良い』
  • 『専門家を間に入れてやることが成功の秘訣』

等の発言が印象的でした。

3.北京訪問

金融機関やファンド運営会社の社長と面談してディスカッション。
『M&A取引所』を訪問して、社長から説明を受けました。
『M&A取引所』はもともと国有企業を公平に売却するために作られた『競売所』のような場所だったわけですが、国営企業の売却が一段落したので民間企業の資本の入札を行っています。たまたま日系企業の売却の入札もありました。
今後のひとつのスタイルを暗示するもので、その仕組みは非常に興味深い物でした。

中国訪問:M&A取引所

中国訪問:M&A取引所

4.総じて

私は、中国は現在

  • 世界最大級の資本力
  • 世界最速の成長力
  • 世界最大の市場

を有していると思います。

しかし、一方では人件費が上昇して、『世界の下請け部品工場』『軽工業地帯』としての役割は終焉を迎えようとしています。
今後は、『高付加価値製品』『技術立国』『内需型最終製品の製造』などへ産業構造を変えていかなければなりません。その為には技術の導入が不可欠であると感じました。

一方、日本は3時間という至近距離にあり、かつ『世界No.1の技術力』『世界No.1のブランド力』を多数持っています。
両社が手を組めるようなM&Aを中国は切に望んでいることが伺えました。

中国はもともと国有企業を売却して自由主義を進めてきた歴史があり、『M&A取引所』や『チャイナM&Aアソシエイト』でもわかるように、M&Aに対する感覚は非常に先進的です。
今後は、日中間で相乗効果のあるM&Aが行われ、両社の経済の活性化が可能になるという確信を得られた訪中でした。