北京で国際会議を開催しました(02)

私に中国の経済を語る資格はありませんが、中国の経済に関して、今回訪問をした際の印象や聴いた話を率直に書きます。

北京や西安を訪問した印象では、景気の大幅な後退は感じられません。
以下、政府筋の方から聞いた話や現地のビジネスマンから聞いた話などを総合したものです。

1. ベイジンオリンピックの影響

ベイジンオリンピック開催に関して、その恩恵をこうむった地域や産業は広い中国では限定的であり、従って、オリンピックが終わった後にそのしわ寄せが来ている地域や産業も限定的である。むしろ、オリンピックをきっかけにして、インフラ整備が出来たり、新しい地区が開発されたので、その経済効果は継続している。

2. 外需の減少

外需の減少は深刻であり、シンセン等の製造業は苦しんでいる。しかし、今後は内需拡大のための小売店整備や自動車販売などを充実させていくので、外需に頼る比率は低くなる。中国は無限大マーケットなので外需の落ち込みを内需に切り替える事は困難ではない。

3. 海外からの企業進出

海外の企業は、『中国の安い人件費による低コスト化』の為の中国進出から、『日本で先端技術を開発し、中国で高精度な物を作る』、『中国の内需に着目して、中国が必要としているものを一歩先読みして作る』などへの移行が必要。両国がWIN-WINになる戦略が歓迎されるだろう。

4. 格差

現在の格差は発展シナリオによる物で、大きな中国では全国民を一度に豊かにはできないので、まず第一段階で内陸部の犠牲の下に沿岸部の一部の企業に豊かになってもらったために生じた。今後は、豊かになった企業の一定の犠牲の下に内陸部を豊かにしていく。これを融和政策と言い、現在の最大のキャッチフレーズである。

とのことでした。

実際、公園などでも『融和』などの文字を書いている老人が目立ち、この考え方は国民に浸透しているようです。
また、格差が広がったとはいえ、全ての階層の人が豊かになっている。『+100の人と、+10の人と、+3の人』が居るだけで『+100の人、-50の人』と言う格差ではない。だから国民から苦情が出ない。
と言うのは本当に実感しました。

以下、私が肌で感じた感想です。
『今回の経済危機に関して、内需への切り替えなどが上手く進んでおり致命傷にはなっていない。
また、莫大な市場を抱えているので、今後の回復力は世界でもトップレベルにあるのではないでしょうか。
国民が上手くまとまっているので世界のリーディングカンパニーになっていく可能性を秘めている!』